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取扱説明書 集合住宅用ビル商品【玄関ドア編】

台風などの暴風雨は、玄関ドアの性能を超える風雨を伴うこともありますので、暴風雨になる前に事前の対策を図ることが必要です。

台風がくる前に

●ドアを閉めて、確実に施錠してください。風にあおられてドアが破損するおそれがあります。

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台風がきたら

●ドアの開閉は出来るだけ控えてください。どうしても開閉しなければならない時は、手をはさんだり、ドアがあおられたりしないよう十分に気をつけてください。

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●暴風雨の場合には、風の吹き方によっては雨水が浸入する場合がありますので、このときはタオルなどを内部からドアの下枠に置くなど対応してください。

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台風が通過したら

●台風の後は、塩分などが付着しやすく、腐食の原因となりますので必ず清掃をお願いします。

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●ドアアイは水が入らないものではありません。水が入り曇ることもありますが、自然に解消されます。

●扉や枠に結露が発生した場合、床や壁の汚損防止と腐食防止のために、こまめに拭き取ってく ださい。結露は、室内外の温度差が大きく、室内の湿度が高い場合に、自然現象として、季節を問わず発生します。したがって結露はドアの不具合ではありません。室内の環境条件によっては、断熱性の高いドアを使用していても、結露が発生します。ドアは、熱を伝えやすい鋼製のドアですので、枠や扉の回り、郵便受け周辺部は、特に結露が発生しやすくなります。一般的には、秋・冬の季節は、暖房により結露が発生しやすく、加湿器等をご使用の場合は、特に結露が発生しやすい状況になります。結露を完全になくすことはできませんが、できるだけ抑える方法として、次のようなことがあります。
・居室の換気をこまめに行い、水分を含んだ室内の空気を排出する。
・室内で洗濯物を干さない。
・ストーブの上でやかんの湯を沸かしたり、加湿器のご使用を控える。

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●風が吹くと室内外に気圧差が生じ、気密部品の接触部分からすき間風が生じます。このすき間風を規制する性能を気密性能といいます。A-3等級とは、風速4m/s程度の風(=木の葉や小枝が休みなく動く程度の強さ)が正面から窓に当たっているときに、窓表面1㎡あたりに1時間8㎥(=1辺が2mの立方体)以下の空気が出入りする性能です。ドアのすき間から出入りする空気の量が少ない方が性能が良いということになります。したがって、気密性が高いことにより、冷暖房における負荷を軽減するので、省エネルギーとも密接に関連し、また、遮音性能も向上します。ただし、気密性*とは逆に換気不十分による問題も生じることがありますので、定期的な換気や換気設備の設置等の配慮が必要です。

*日本産業規格(JIS)では、空気の出入りを遮断しなければならないという規定はありません。

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●ドアの遮音性とは、ドアを通して室外から室内へ侵入する音、室内から室外へ漏れる音をどれくらい遮ることができるのかを表す性能であり、音を完全に遮断し、住居内を無音状態にするというものではありません。住居ではドア以外に空気が出入りするところがあり、同じ遮音性能のドアが付いたとしても、部屋ごとに室内の騒音レベルが異なります。カタログなどに記載しているドアの遮音性能は、ドア単体の遮音性能のみを測定できる専用の実験室で測定した性能であり、お部屋で実測する数値とは異なります。

●ドアは、軽快な開閉ができるように、扉と枠の間にある程度のすき間を設ける構造となっており、完全に密着できるものとなっていません。これらのすき間は、円滑な開閉を考えて薄くて弾力性のあるタイト材やパッキング材で、できるだけふさぐようになっています。昆虫は一般的に、光に向かって飛来する他、扉や障子と枠のすき間に入り込もうとする習性があります。これは、特に、10月、11月など寒さが感じられる時節や、3月、4月の春先の時節、朝晩の寒暖の差が大きい時節などに、外部の寒さから逃れるため、越冬のために、暖気が感じられる家屋に集まろうとする傾向があります。中でも、カメムシやてんとう虫等の這い回る甲虫(こうちゅう)は、少しでも暖かい方に向かって、わずかなすき間でも押し入ろうとする習性が強く、場合によっては、柔らかい材質のタイト材を押しのけて室内に侵入することもあります。したがって、このような習性を持つ昆虫の侵入を完全に食い止めることはできません。万一、虫が室内に侵入した場合の対応策は、次のとおりです。
・殺虫剤、駆虫剤による駆除をお願いします。カメムシ専用の薬剤もあります。
・特に、カメムシはうっかり触ると悪臭を出し、手の指に染みつくことがありますので、ガムテープの使用をおすすめします。

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● 断熱ドアは室内外で熱を伝えにくい構造としてあるため、直接、日差しがあたるなど室内外の温度差によってはドアの本体にソリが発生する場合があります。(最大ソリ発生量は4 ~5mm)このソリは、日差しの角度がかわるなど、表面の温度差が小さくなると元に戻るので、ドアの不具合ではありません。本体のソリが発生してドアが閉まりにくい、又はすき間が発生して気になる時は、ドアクローザ、フランス落しツボ(調整機能付きの場合)での調整にて対応をお願い致します。

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●ドアは太陽の日射熱の影響を受けて部材の温度上昇により熱膨張が発生して部材が伸縮するという特徴が有ります。また、各部材間のわずかな膨張率の違い等により音(パキパキ・ギシギシ・コーンなど)が鳴ることがあります。この現象はドアの性能に影響するものではありません。

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●防火商品の構造上、結露水や雨水により長時間濡れた場合にサッシや窓の表面に白い結晶が発生することがあります。この白い結晶は人体に付着しても無害で、また防火性能上にも影響はありません。白い結晶が発生した場合は水で濡らした雑巾などでふき取ることで除去することができます。

●外部からの強風によりドアが枠側に押し付けられ、開閉操作が重くなることがあります。(24時間換気をしている場合も同様に発生する場合があります。)強風時の開閉は極力控えてください。

●換気扇やレンジフードを作動させると、大量の空気を排出させると同時に、ほぼ同量の空気の流入が起こり、ドアから笛鳴りが発生する場合があります。この現象は、建物全体の気密性が高く、かつ流入する空気の導入口が設けられていなかったり、換気口等の導入口の大きさが適切でない場合に、ドアの小さなすきまから高速で空気が流入することにより生じる現象で、ドアの欠陥ではありません。適切な吸気口の設定や、窓を少し開けるなどの対応で笛鳴りは防げますので、外気の取り入れ口を確保して頂けますようお願いします。(24時間換気している場合や強風時にも同様に笛鳴りが発生する場合がありますので同じように対応して頂けますようお願いします。)

●長期間使用いただくと扉表面の仕上げが劣化し、表面がザラザラし、白い粉がふくような現象がおこることがあります。この現象は経年劣化によるものですので、塗り替えが可能な場合もありますが、一般的には扉の交換をお勧めします。