ChaChaMaru
ChaChaMaruという名前の犬

ペットもうれしい
リフォーム
事例

01

zizi
ZiZiという名前の猫

風情ある日本家屋を
パッシブデザインで
快適にフルリノベ。

随所に残る和の風情に一目惚れして購入された築30年の注文住宅。
そのお気に入りポイントを残しつつ、
住み心地を追求したフルリノベーションで、
家族とペットが快適な空間を共有できる住まいへと
生まれ変わりました。
「ペットもうれしいリフォーム」のヒントを見つけるべく、
その過程についてお話をお伺いしました。

※ パッシブデザインとは、住宅性能を高め、太陽の熱や光、風など自然の恵みを最大限に活用する設計技術です。

● 施主様:東京都杉並区

お仕事柄、海外生活が長い様ご一家。いまも奥様とご子息様はニューヨークにお住まいで、様は逆単身赴任という形で日本に帰国。ご自身のライフステージとして、そろそろ日本に腰を降ろせる時期に差し掛かり、45件の内見を経て日本の風情が残る築30年の注文住宅をご購入されました。一緒に世界を巡った愛犬の茶々丸くんと、コロナ禍に新しくお迎えした愛猫の ZiZi(ジジ)くん。様曰く「次男坊と三男坊」の二匹とともに、これから控えている奥様とご子息の帰国を心待ちにしています。

● 施工会社:LOHAS studio®

この記事のポイントは...

POINT
01

デザインと機能の
両立を目指す
リフォームコンセプト。

POINT
02

家族とペットが
快適に過ごせる
パッシブデザイン。

POINT
03

様々な工夫で叶う
ストレスのない
ペットとの暮らし。

こだわりたかったのは、
意匠と機能の二兎を追うこと。

 空間に余裕のある玄関をはじめ、円窓や網代天井が趣を醸し出す広縁や水屋など、茶道を嗜まれる奥様がご友人をお招きするパブリックスペースにもなる “和” の 1 階。片や広がりを感じるドーム天井に白を基調とした明るい LDKと独立性の高い寝室など、ご家族のプライベートスペースとなる “洋” の 2 階。そのふたつのフロアをつなぐ階段は、和と洋のグラデーションを楽しむ作りに。随所にこだわりが散りばめられた様邸のリフォームは、どのようなものだったのでしょう。

様:この家の玄関や広縁は、空間としてはもったいない感じがしますが、その“余裕”や“遊びがある”ところが気に入っています。しかし、モノとしてしっかりした造りではありますが、やはり築30年以上の物件なので断熱性や気密性、設備についてはきちんと改善したいと考え、リフォーム前の趣は損なわずに居住空間の快適性を確保するといった “二兎を追う” リフォームスタイルを目指すことにしました。デザイン面は妻。機能面は私の担当でしたが、以前に行ったリフォームでは自分自身がもっと勉強して理解を深めていたら、さらにいろいろなことができたのではないかという反省があったので、今回はそれこそ断熱については UA 値を自分なりに計算するほど理解を深めて挑みました。専門部署の設計部をはじめ LOHAS studio の皆さんにはそういう面でも丁寧にお付き合いいただいて、とても安心感がありました。また妻の思いを形にするためにはデザイナーさんとの相性も大事だったので、そのことについても大変満足しています。

掃き出し窓から陽の光がやさしく差し込む1階の和室

LOHAS studio®

掃き出し窓から陽の光がやさしく差し込む1階の和室。

白を基調とした明るい1階のリビングルーム

LOHAS studio®

白を基調とした明るい2階のリビングルーム。

住宅全体の断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)の計算もマスターしたI様

住宅全体の断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)の計算もマスターした
様。

理解を深めた先にたどり着いた
パッシブデザイン。
快適な時間を家族とペットで共有。

 施工を担当された LOHAS studio ご担当者から「スタッフの一員」といわれるほど理解を深めた様とデザインに思いの深い奥様。施主様と施工会社様がワンチームとなって作り上げたこのお住まいに我々がお伺いしたのは、朝にはまだ雪がチラつく日のお昼頃でした。それにも関わらず、お話をお伺いした2 階の LDK はわずかな床暖房だけでポカポカ。この暖かく快適な空間が生まれた経緯についてお話を伺いました。

様:自分なりに勉強して理解を深めていくとパッシブデザインに行き着きました。LOHAS studio さんはパッシブデザインも得意ということもあり、ほぼすべての窓に採用した内窓から、床・壁・天井の断熱や日射取得など、様々なご提案をいただきながら費用対効果を計算しつつ進めていきました。その結果、冬は空調があまり必要ないほど暖かく、夏はちょっと空調に頼る程度のコントロールで快適に過ごすことができます。ZiZi は水平垂直に広がりのあるリビング空間を満喫していますね。
 また断熱工事を行ったことで防音にもつながりました。音漏れは実はそこまで気にしていなかったのですが、雨音が聞こえないことですごく実感しました。

そう語る様の傍ら、愛犬の茶々丸くんは窓辺でウトウト、愛猫の ZiZi くんはキャットウォークをノビノビと歩いています。聴覚が優れているワンちゃん、ネコちゃんにとって、遮音性の高いお部屋は安心できるスペースです。またワンちゃんは平面的な居住空間なのに対し、ネコちゃんは上下運動できる立体的な空間が必須。床上 50cm、窓辺、天井付近など、行動範囲内の空間のどこでも温度ムラがなく、思い思いに棲み分けられたお気に入りの場所で安心して過ごしている様子が伺えました。

お話しされている I 様

茶々丸くんは陽の光が差し込む窓辺のペットベッドがお気に入り

茶々丸くんは陽の光が差し込む窓辺のペットベッドがお気に入り。

ZiZiくんはキャットウォークを軽快に登り下り。上からリビングを見渡します

ZiZiくんはキャットウォークを軽快に登り下り。上からリビングを見渡します。

様々な工夫が生きて、
家族とペットもストレスフリー。

こちらの物件をご決断された理由のひとつには、茶々丸くんのお散歩のしやすさといった立地の良さもあったと語る様。LDK をぐるりと上から見晴らせる ZiZi くんのためのキャットウォークやペットドアなど、様々なペットファーストなリフォームポイントだけではなく、茶々丸くんと ZiZi くんとの生活のために工夫されていることはあるのでしょうか?

様:必要最低限のものは目の触れる場所に出ていますが、ペットウェアやシーツ、フード、お散歩グッズやトリミング用具などはすべてペット用の収納にまとめています。ペット用の収納があるだけで快適性はすごく上がると思います。妻と以前からよく話しているのは、基本的には「全部しまって見せない」ということ。だからこそ、今回のリフォームでは収納をきちんと設けたいと思っていました。 他には、LOHAS studio さんから ZiZi の爪研ぎ対策としてアドバイスをいただき、壁に漆喰を施しました。漆喰は爪が引っ掛かりずらく、爪研ぎをしない猫が多いようです。 あと、茶々丸は暑くなると冷たい床を求めていきます(笑)。涼みたいときはタイル床で寝ていますよ。

 奥様が収集されたマジョリカタイルをアクセントとして、多くのタイルを設えて瀟洒な空間として仕上がっているキッチンやパウダールームは、奥様も大変お気に入りのスペースとなりましたが、どうやら茶々丸くんにとっても夏の快適な居場所として大好評のようです。ワンちゃんは汗腺が肉球にしかないため体温調節が苦手。 冷たい床やタイルに体の一部を接することで熱伝導により体温を下げられるのは、 とても快適なポイントになっていることでしょう。
他にも爪とぎをしてほしくない場所には、爪とぎをしにくい壁材を使用したり、ZiZi くんにとっても爪とぎをしていい場所がわかりやすいので叱られることもなく、結果的にストレス軽減につながります。このようにそれぞれが自然な形でお気に入りの空間を共有できているところが好印象です。

ペットドアやペット用の収納棚を造作。下段はZiZiくんのトイレスペースになっています

LOHAS studio®

ペットドアやペット用の収納棚を造作。下段はZiZiくんのトイレスペースになっています。

キッチン

LOHAS studio®

白犬と黒猫が遊んでいる

満足だけど、まだ手を加えたい。
リフォームしたからこそ見える未来の暮らし。

 元々ある和の風情を残しながら機能性を高める。両立を求められるリフォームはとても難易度が高いものだと LOHAS studio様は語ります。温熱計算等を専門に行う設計部とも連携を密に取り、様と奥様の思いを形にすることに力を注ぐ一方で、金額面や構造上などの理由でどうしても不可能なものに対してはストレートにお伝えすることもあったそうです。

様:リフォーム中に、すごくよかったと感じたのは、「これはこうで、できません」ということをストレートに伝えてもらえたこと。また、選択肢と判断のための深い理解を与えてもらえたのはとても有り難いことでした。そうした話し合いを重ね、こちらの気持ちを汲んで網代天井を残してくれたり、既存の水屋を移設してくれたり。玄関の下駄箱収納に至っては一度取り外し、断熱工事を行なって戻すという手間をかけていただき、そのバランスの良い対応にとても満足しています。ただ、いまになってこうしておけばよかったというアイデアが浮かぶこともあります。例えば、20年後を見越して2階にシャワーブースを作っておけばよかったな、とか。終の住処を想定していますから、また予算を組んで、LOHAS studio さんにお願いすることはあると思います。妻は本帰国したら、きっと庭の手入れに着手すると思います。私はせっかくなので妻にお茶を立ててもらおうかな、と。それとタイミングが合えば、猫をもう一匹お迎えしたいとも思っています。

 日本に腰を据えて落ち着きたいという気持ちから得た終の住処。だからこそ 10 年後、 20 年後、そしてその先のライフステージをリアルに感じて見えてくる暮らしの風景があることを、今回のインタビューで学ばせていただきました。