技術情報

サッシがもつ主性能のご紹介

耐風圧性

耐風圧性とは、サッシ・ドアがどれくらいの風圧に耐えられるかを表す性能です。
台風など強風によってサッシ・ドアが使用上支障をきたす変形をしたり、戸が脱落することがないようにするために大切な性能です。
耐風圧性は、面積1m2あたり、どの程度の風圧に耐えられるかを基準とし、JIS規格に定められた等級(S-1〜7)で評価します。
風圧の単位はPa(=N/m2)で表されます。

気密性

気密性とは、サッシ・ドアの枠と戸の隙間から空気(隙間風)がどれくらい漏れにくいかを表す性能です。
冷暖房時の熱損失を少なくしたり、騒音や砂塵等の侵入を抑えたりするために、気密性の高いサッシ・ドアが求められます。
気密性は、面積1m2あたり、1時間でどの程度の空気が漏れるかを基準とし、JIS規格に定められた等級(A-1〜4)で評価します。
空気の漏れはm3/(h・m2)の単位で表されます。

水密性

水密性とは、雨を伴った風に対し、サッシの室内側(枠外)への雨水の浸入をどれくらいの風圧まで防げるかを表す性能です。
水密性は、サッシ・ドアが面積1m2あたり、どの程度の風圧まで雨水の浸入を防げるかを基準とし、JIS規格に定められた等級(W-1〜5)で評価します。
風圧の単位はPa(=N/m2)で表されます。

水密性

本試験動画は、台風やゲリラ豪雨を想定した厳しい条件下で、サッシの防水性能を確認した水密試験の様子です。

遮音性

遮音性とは、サッシ・ドアを通して室外から室内、あるいは室内から室外へ透過しようとする音をどれくらい遮ることができるかを表す性能です。
遮音性は、周波数毎にどの程度の音を遮ることができるかを基準とし、JIS規格に定められた等級(T-1〜4)で評価します。
測定値はdB(デシベル)で表されます。
サッシ・ドアの遮音性は求める居住環境により選定します。

遮音性

本試験動画は、単板ガラスのサッシや内窓を付けた二重窓が、99dBの騒音(電車が通る高架下と同じレベル)を、どの程度の遮音効果があるかを測定した遮音試験の様子です。

断熱性

断熱性とは、サッシ・ドアからの熱移動をどれくらい抑えることができるかを表す性能です。
断熱性は、熱貫流率(窓の内外の温度差が1℃の時、単位時間あたり窓の面積を通過する熱量)を基準とし、JIS規格に定められた等級(H-1〜8)で評価します。
熱貫流率の単位はW/(m2・K)で表されます。
建築物においては、窓を通しての熱移動が最も大きいため、省エネルギー効果を高める上で、サッシの断熱性の向上は重要な要素となります。

断熱性

本試験映像は、室内温度20℃、室外温度0℃という条件下の試験装置内に設置した玄関ドア・サッシなどに対し、どの程度の断熱効果があるかを測定した断熱性能試験の様子です。

日射熱取得性

日射熱取得性とは、建物の外からの日射熱が開口部を通して室内にどれだけ入るのかを表す性能です。
日射熱取得性は、日射熱取得率(η値;0〜1)を指標として評価され、JIS規格において等級(N-1〜3)が定められています。
建築物において開口部からの日射熱取得は、冬季の暖房負荷を低減するとともに、夏期は冷房負荷を増大させるため、建物の温熱環境や省エネ性能を評価する際には、開口部の断熱性とともに重要な要素となります。

開閉力/開閉繰返し

開閉力とは、サッシ・ドアセットを開閉する際に必要となる力の事で、単位はN(ニュートン)で表されます。
サッシ・ドアセットのJIS規格では、50Nで開閉できることが規定されています。
開閉繰返しとは、丁番・錠前などを含めた戸が、どれくらいの開閉回数まで支障なく使用できるかを表す性能で、開く、閉じるをもって1回とする開閉回数を基準としています。
サッシ・ドアセットのJIS規格では、毎分5〜10回の繰返し開閉試験によって、開閉に異常がなく、使用上支障が生じてはならない開閉回数が、それぞれ規定されています。

その他諸性能のご紹介

結露防止性

結露防止性とは、結露の発生をどれくらい抑えることができるかを表す性能をいいます。
窓が結露すると室内仕上げを汚染して、美観を損ねたり、カビの発生などにより健康へ悪い影響を与えたりするため、結露発生のメカニズムである室内外の温度差や湿度を調整する対策が必要です。
具体的に言えばサッシ及びガラスの断熱性の向上と空調による温度や湿度の調整などがあげられます。

防火性

防火性とは、建築物の火災に対する安全性のレベルを表す性能です。建築基準法、建築基準法施行令、建設省(国土交通省)告示等で規定されています。
なかでも、耐火建築物、準耐火建築物や防火地域または準防火地域にある建築物の外壁で延焼の恐れのある部分の開口部については、炎を遮り延焼を防止するために「防火設備」の使用が義務づけられています。
また、防火区画には一般的に鋼製の防火設備が使用されます。
平成27年6月の建築基準法改正で、3階建ての木造建築物の場合、従来の外部からの延焼に加え、内部の火災が開口部を通じて同一建物の他の開口部に延焼の恐れがある範囲にある場合は、その開口部は防火設備とすることが必要になりました。

表面処理

サッシやドア、カーテンウォールなど金属製品の表面には通常、耐久性および美観の向上を目的とした表面処理が施されています。
アルミニウム建材に施される代表的な表面処理である『陽極酸化塗装複合皮膜』および『陽極酸化皮膜』に関する種類(等級)および性能はJIS規格で規定されています。

メンテナンス(清掃)

製品の美観や性能を長期にわたり維持するためには、製品の材質や施されている表面処理の種類に応じて適切な清掃方法を選択し、使用する環境に応じた頻度で定期的にメンテナンスを行うことが重要です。

シーリング

シーリングとは、建築物の水密性・気密性を損なわないよう部材と部材の隙間(目地)を、熱収縮など部材の動きに追従できる防水材料(シーリング材)で充填することです。
建築用シーリング材は種類が多く、使用目的や被着材料に適した材料を選定する必要があります。

防犯性

サッシ・ドアの防犯性能とは、工具類等の侵入器具を用いた侵入行為に対して、サッシ・ドアが有する抵抗力を言います。
現在一般に横行している侵入手口に対して「5分以上」の侵入抵抗時間を有することを要求性能として、防犯を意味するCP(Crime Privention)マークを表示しています。
開口部の侵入防止対策が必要な部位、防犯建物部品の詳細については、(一社)住宅性能評価・表示協会および(一社)日本サッシ協会のHPを参照ください。